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セクシュアルマイノリティ・ミーティングはじまりの頃

AAセクシュアルマイノリティ・ミーティング創設時のメンバーの追想です。

『AAのプログラムによって、人間関係のトラブルが起こったり、感情が乱れてもお酒を飲もうとは思わなくなっていました。
そんな暮らしが7年ほど続いた頃、恋愛がらみの問題が起こりました。
私は大変なドライドランクに陥りました。
それまでは、よく仲間が恋愛問題で様子がおかしくなっているのを冷ややかな目で見ていたのですが、自分の身に起こってみると確かに制御不可能な感情の酔いが起こりました。
自分の住所も、ど忘れするほどの操状態になりました。
当然、その反動は、怒りと嫉妬と自己れんびんの泥沼地獄になりました。
そんな中、ある公共施設の募集記事に目が止まりました。
年に一回、様々な活動をしている団体にワークショップなどの場所と時間を提供してくれるというものでした。

ふと「メッセージの場に使わせてもらえないだろうか」と考えました。
その年は、たまたまAAの活動の中で、特に外部機関へのメッセージに行かせてもらう機会が多かったのです。
短期大学の生徒さんや教会の信者さんたちへのメッセージ活動は、また違った側面からメッセージを考えさせてくれました。
病院メッセージには女性やヤングの枠がありましたが、ふとセクシュアルマイノリティの場合、それがむずかしいかな、と思いました。
自分が「ホモだとかレズ」だと知られて平穏な気持ちでいられる人はいないと思います。
彼や彼女達が勇気をふりしぼってやって来るのを待っているより、私たちが今彼や彼女達に近づいていけばいいのではないかと思いました。
セクシュアルマイノリティの仲間たちに声をかけて、有志形式のオープンメッセージを開催しました。
準備のための打ち合わせやフライヤーの作成に追われているうちに、徐々にですが泥沼地獄のような毎日から解放されていました。
ビッグブックに「もし自分にとって性が大きな問題なら、人を助けるほうに力を注ぐことだ」と書いてありますが、まさにその通りでした。
本の中では性の問題についてふれられていますが、私には他の問題の解決策にもなる行動だと思います。
文献でしか伺い知ることはできませんが、AAのはじまりが、仕事で失敗した株のブローカーが、お酒をやめられないもう一人の人間にはたらきかけたことがはじまりだった話にも勇気づけられました。
彼は成功して意気揚々と出向いたのではなく、今にも飲みそうな情けない状態から出向いたからです。

この有志形式のオープンメッセージは一回きりのものでしたが、仲間と話をしているうちに継続した活動の場を作りたくなりました。
そして、現在の「セクシュアリティ・ミーティング」を仲間たちと立ち上げました。
当時の私は純粋に「まだ苦しんでいる仲間のために」というわけではありませんでした。
どちらかと言えば自分のためでした。
が、そうしたエゴも仲間たちと活動をしていくうちにしぼまされていき、プログラムに熱心な仲間たちにインスパイアされて、私もより12のステップを踏みたくなる意欲をもらいました。
つながってくれた仲間が「ここの場があってよかった」と言ってくれると、亡くなったかつてのスポンサーが「必要ならば、与えられるんですよ」と言っていたことを思い出します。
早いもので5年がたちました。これからも新しい仲間たちとの出会いを望んでいます。』



今月のミーティング案内です。
01月21日木曜日 1900~2130時
新宿2丁目 コミュニティセンターakta
http://www.rainbowring.org/akta/

ミーティングではアルコールをやめて生きる選択をした、セクシュアルマイノリティのAAメンバーがそれぞれの体験を話します。
アルコールの問題に関心のあるセクシュアルマイノリティ(レズビアン/ゲイ/バイセクシュアル/トランスジェンダーなど)の方ならば、どなたでもご参加いただけます。


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by aa-sekumi | 2010-01-09 16:38 | セクシュアルマイノリティ
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