人生のパールハーバー

AAが出版しているパンフレット『ベスト・オブ・ビル』(AA創始者のひとり、ビル・Wの著作を集めた小冊子)のなかに紹介されているエピソードがあります。
AAは1935年にアメリカで創設されましたが、1941年にはアメリカと日本は戦争に突入します。
日本軍によってパールハーバーが攻撃されると、アメリカ中が大騒ぎになりました。
セントルイスでは地元のAAの友人、ダウリング神父(この方はアル中ではありません)はAAメンバーのことを心配します。
普段は飲まない人たちでさえ、パールハーバーの後に来る災難への恐れから酒瓶に手を伸ばしている。
ましてや、AAメンバーはこの災厄に直面してスリップ(再飲酒)してしまうのではないか?
すると、酒をやめて1年もたたないAAメンバーが神父のそばにきて元気に話し始めます。
彼は完全に素面なので、神父はひとまず安心しますが、彼はパールハーバーのことには一言も触れません。
ほっとしながらも、不思議に思った神父は彼に訊ねます。

「なぜパールハーバーの話が出ないの? どうやって、こんなパンチをこらえられるのかね?」

AAメンバーは答えました。

「え! おわかりにならないとは驚きました。私たちは、みんなそれぞれのパールハーバーを経験してきているんです。私のほうこそお聞きしたいな。なぜ、こんなことで私たちがスリップしなきゃあならないんでしょうか」


ブログ担当者は、このエピソードを読んで、まったくそのとうりだと思いました。
私もAAプログラムのおかげで、酒を飲む理由が取り除かれて3年ほど素面の時間をすごしています。それでも、飲まない生活を続けていれば、この先何がおこるかわかりません。
何がおこるかはわからないが、どうせそれは辛くて、苦しいことに決まっています。
しかし、たとえどんなに苦しいことであっても、それは環境が悪くなったというにすぎないでしょう。
今までの(飲んでいたころのような)、自分自身の生きることがどうにもならないという状態とは違います。
だから、きっと乗り越えられます。
もちろん、戦争は大変です(自分が死ぬかもしれないのだから)。
それでも、自分の外側の大変な出来事にすぎないでしょう。
これまでの自分の内側の問題で苦しんでいたことに比べれば、戦争などなんでもないと思えます。
すくなくとも、飲む理由にはならない。
なにしろ、私は「地獄から帰ってきた男」ですから。


今月のミーティング案内です。
10月16日木曜日 1900~2130時
新宿2丁目 コミュニティセンターakta
http://www.rainbowring.org/akta/

ミーティングではアルコールをやめて生きる選択をした、セクシュアルマイノリティのAAメンバーがそれぞれの体験を話します。
アルコールの問題に関心のあるセクシュアルマイノリティ(レズビアン/ゲイ/バイセクシュアル/トランスジェンダーなど)の方ならば、どなたでもご参加いただけます。
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by aa-sekumi | 2008-10-04 13:46 | Comments(0)
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