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カテゴリ:トランスセクシュアル( 1 )

Della の性別適合手術体験記

 みなさん,あけましておめでとうございます.アルコホーリクで GID(性同一性障害) MtF の Della です.本年もよろしくお願い申し上げます.

 さて,でらちゃんは昨年の11〜12月,タイに行ってついに SRS(性別適合手術)を受けて,無事普通(?)の女の娘になることができました.以下,体験記です.

 でらちゃんが性同一性障害の診断を受けたのは,2006年9月,それまでアルコール依存症で入院していた地元の精神病院を追い出されて,転院することになったアルコール専門病院の主治医からで,でらちゃんのアルコール依存症は性同一性障害の合併症である,というものでした.

 でらちゃんも,その診断を受けたときは,一般の性同一性障害という障害に対する偏見みたいなものを持っていましたので,「自分は同性愛の経験はないし,(女性との)結婚も2回経験しているし,子どももいるので,性同一性障害ではない」という否認の気持ちを持っていました.ちょうど20代半ばで『アルコール依存症』と診断を受けたときに,『自分は自分の意志でアルコールの摂取をやめないのだから,アルコール依存症ではない」と否認していたのと同じように...

 ただ,そのときアルコールについては転院前の入院中にいわゆる AA で言うところの『底つき』を迎えていたため,転院後は「何とかしてお酒をやめたい」との思いがあり,「お酒をやめるには,現にやめている人の真似をすれば何とかなるのではないか?」との思いから,入院中から AA の先行く仲間達のメッセージをいただき,モデル・ミーティングにも積極的に参加し,退院した2006年12月25日に AA 三島グループにつながることができました.

 AA につながって最初のうちは,何となく自分が性同一性障害者であることを伏せていましたが,自分なりに障害についての勉強や自助グループへの参加を通じて,自分が性同一性障害者であることの認識を深めていくことができました.しかし, AA につながって3ヵ月でスポンサーについてもらい,1年目のバースデーの前にステップ4・5をさせていただいたのですが,それは自分の一番大きな性同一性障害の問題を棚上げしたままの棚卸しであったため,不十分なものに終わってしまいました.

 2年目に入って自分が性同一性障害者であることをミーティングでカミングアウトしたところ非常に楽になり,また仲間たちも好意的に受け入れてくれたので,以来,自分にとってアルコール依存症以前の大きな問題である性同一性障害の治療に積極的に取り組み,また,性別を超越したトランスジェンダーとして生きて行く決心がつきました.そして3年目にカウンセリングによる精神的治療を開始し,4年目には女性ホルモン注射による身体的治療へとステップアップしていくことが出来ました.

 それらの治療を進めていくと共に,自分の中でも「自分は男性ではなく,女性である」という自覚が育ち,また趣味・嗜好から考え方・感情・性格に至るまで大きく変化していくことを感じるという,不思議な体験(霊的な体験?)をさせていただきました.

 さて昨年,5年目に入って,でらちゃんの人生に大きな転機が訪れました. 3月11日, AA につながってしばらくしてから 4年間勤めていた職場からクビを言い渡されました(ちなみにその30分後にあの大地震が起こりました).実は,そろそろ職場でのカミングアウトを考えていた矢先だったので,今回は新しい仕事を探すにあたって,最初から自分が性同一性障害者であることを履歴書に明記して就職活動を開始いたしました.

 するとわりと簡単に理解してくれる職場があって,5月より勤め始めたのですが,職場の雰囲気等が合わなかったため,8月いっぱいで残念ながら退職することになりました.ちなみに退職した8月31日は,でらちゃんの,日本ではアルコール依存症者の平均寿命と言われている52歳の誕生日で,「これからはついでの人生」との考えから,いよいよ本格的にトランスセクシュアルとして生きて行く決心がついたのでした.

 そして9月に入って,主治医に性別適合手術の可能性について相談したところ,すでに離婚して女性として生活し始めて5年目に入っており,ホルモン注射を始めてから1年を経過しており,また,女性としての就職もクリアしていることから,年内に手術を受けることが決定し,旅行代理店に11〜12月を目標にスケジューリングを依頼しました.

 10月,タイにおいては記録的な大洪水が起こったため,一時は年内の出発は危ぶまれましたが,何とか予定通り,11月26日 00時30分羽田発の全日空便でバンコクへ発つことができました.そして ,11月29日に最初の病院で SRS(性別適合手術)と豊胸手術, 12月6日に別の病院で喉仏の切除と声の女性化の手術を行い,幸いにして術後の経過も良かったため,12月19日に帰国し,5回目の AA バースデーをでらちゃん本来の女性の姿で仲間達に祝っていただくことができました.

 AA につながったばかりの頃は,まさか自分の人生ががここまで変化することになるとは思っていませんでした.お酒の問題で AA につながった自分が, AA ミーティングでの仲間達との分かち合いを通じて自分の生き方をみつめることができるようになり,また,「認めて,信じて,委ねる」ステップを踏む事ができるようになって,自分の意志ではなく自分にとっての神様の意志に従って進んでいった結果,決して自由にならないと諦めかけていた自分の人生が大きく変化していったというのが実感です.でらちゃんが好きな AA の考え方に「神様はその人にとって必要なものは全て与えてくださるが,不必要なものは一切与えてくださらない」というのがありますが,まさにその通りだと思います.素敵なシナリオを書いてくださった神様と,実現する力をくださった仲間達に感謝です.
by aa-sekumi | 2012-01-24 02:30 | トランスセクシュアル | Comments(0)